「いい帽子かぶってるねぇ」
と、前の職場の上司から声をかけられた。
紳士用の帽子をかぶって歩くのは、思い出してみれば、
学生時代からの憧れみたいなものだった気がする。
親からは事あるたびに、じじくさいことはやめてと止められた。
昨夏、猛暑の旅先で無謀にも無帽で出かけ、
運良く見つけた洋品屋で買い求めた帽子が
すっかりお気に入りになった話は、以前にも記した。
少し前には、もうひとつ、新しい帽子を買った。
ちょっと渋すぎる感じもしないでもないが、
そのへんが自分の好みなのも、確かなこと。
帽子をかぶって歩いて誉められるような歳になったのは、
やはりよろこぶべき・・・か。