松山を早朝に発ってから8時間。15時過ぎに土佐町の中心・田井に着く。
ずっと山あいを通ってきただけに、バス営業所の構内がやけに広く感じる。
各方面へのバスが数台停まっている。高知行の大型バスが一〇人ぐらいの客を乗せ、
オレが主役だという顔をしている。
(宮脇俊三「ローカルバスの終点へ」)
今は亡き宮脇氏が見たのは、
こんな光景だったのだろうか。
かくいう自分も、宮脇氏の著作に
感化されて、こんな旅をしている。
何となく不思議な感じがするが、
でもやはり、旅は私の一部。
街なかを少し歩くと、道の駅があった。
その傍らには、こんな看板のお店。
小腹も空いたし、頃やよし。
バス営業所への道を戻っていると、1台の乗用車がなぜか自分の横で停まった。
何だろうと思っているうち、ゆっくりと窓が開き、ドライバーの男性がにこやかにこう言った。
「やぁ! 見つけてしまいましたよ!」
この夏のオロロンラインツアーで一緒になった、関西のMさんだった。
その後も時々やりとりがあり、この3連休はお互い四国ということも知っていたが、
まさか、この田井で偶然出会うとは・・・・・・。
これから高知へ向かうというMさんのご好意で、助手席に乗せていただく。
おかげで暗くなる前に、高知の駅前に着くことができた。