もう10年くらい行っていないのだが、岩手県北部の
二戸市のことをつらつら思い出して過ごした一日。
学生時代からこの街には毎年のように足を運んでいた。
きっかけは、駅前にそびえるJRバス営業所の風情という、
例によって例の理由だったりする。
岩手県北部は、以前は日本屈指の国鉄バスエリアだった。
二戸、久慈、葛巻、岩泉に拠点を構え、稠密な路線網。
学生時代、東北ワイド周遊券片手にバスばかり乗った。
荒屋新町、浄法寺、金田一温泉、軽米、小鳥谷、龍泉洞と、
あちこちバスで乗り歩いた。
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二戸のバス通り沿いに、ごく普通の食堂があった。
最初はただ単に夕食を食べるためだけだったのだが、
偶然頼んだホルモン煮込み定食がことのほか旨くて、
そのうちホルモン煮込みを食べに二戸に行くようになった。
しばらくして行ったら、店が閉まっていた。営業終了。
また幻の味が増えたかと痛恨の思いがした。
朝日屋食堂に毎年のように通ったあの頃、幸せだった。