先日、ドイツの地域交通政策動向に関する論稿のことを記した。
連邦や州からの助成削減の影響で、運賃が値上げされたり、
路面電車の廃止・バス転換を検討している地域があるという。
論稿ではそうした地域がどこかを明示していないのだが、
どうもそのひとつはフライブルクであるらしい。
偶然見つけたこのサイトに、フライブルク市広報誌‘AMTSBLATT’の
2005年5月14日号の邦訳が掲載されているが、
●フライブルク運輸連合では、コスト増加と助成金削減で赤字が増え続けるため、
2005年8月1日より乗車券を平均5.2%値上げ。好評の「レギオカルテ」(※)は
2ユーロ値上げして41.5ユーロに。
(※)レギオカルテ……フライブルク圏域にある2400kmの鉄道・路面電車・バスが
乗り放題となる「地域定期券」。
●昨年8月にも値上げしたが、生徒割引のレギオカルテ販売数が5%減少し、
1回券での利用がレギオカルテ導入後初めて増加傾向を見せる。
●市議会の一部党派は、路面電車の新線建設を一定期間控えるべきと要求。
とのこと。
3年半前、唯一海外を旅したときに訪ねたのがフライブルクだった。
交通機関の使い勝手のよさを身をもって体験した反面、
最初から助成金を前提に交通事業が営まれていることに対しては、
やはり引っかかるものを感じざるを得なかった。
フライブルクの地域交通は、これからどんな方向に進んでいくのだろうか。