まだ「北海道ちほく高原鉄道」が残っていた頃、所用で札幌から北見まで
日帰り往復した。
往路は特急列車にしたが、車両が昭和55年頃に製造された旧型で、
よく言えば安定的な走り、悪く言えばとにかく鈍足である。
特急列車は途中の遠軽で3分ほど停車する。遠軽は行止まりの駅。
進行方向を上下列車とも反対側に変える必然的な停車。
しかし、乗客にとってはちょっとした「休憩停車」のようである。
何人かがホームに降り、背伸びしながら、リラックスしている。
私もホームで背伸びする。道中まだ長い。
これは又聞きで真偽は定かではないが、JRが特急を全面禁煙した直後、
遠軽のホームは、紫煙をくゆらせる乗客で活況を呈したらしい。
もう少しゆっくり……と思ってたら発車時刻だ。
長いようで短い3分間。
北見に着いたのは札幌から4時間半後であった。
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北見からの復路はバスにした。
札幌~北見の都市間バスは活況が続いている。
所要時間は特急より若干長い程度。しかも運賃は特急利用の半分で済む。
特急列車4往復に対しバスは10往復と利便性でも凌駕している。
石北峠を越え層雲峡のドライブインで10分の休憩停車。
古いドライブインだが、お茶とかお菓子とか、ついつい買ってしまう。
この休憩停車こそが、都市間バスの魅力の一つと考える。
長い道中の気分転換、まさにリフレッシュ。
10分という時間も長すぎず短すぎず適切である。
列車は車内を自由に行き来して気分転換できる、という意見はわかる。
が、通路を乗客や車内販売員がひっきりなしに行き来するのは
自分には落ち着かないの一語に尽きる。
都市間バスは車内販売がないし、乗客もそうめったに行き来しない。
多少座席は狭くとも(特急の普通車と大差ないと思うが)、
ゆっくり落ち着いて車窓を楽しみ、途中休憩で気分転換できる。
特急列車と都市間バスでは、ゆとりや快適性の面で、
格差がかなり大きいのではなかろうか。