遊歩道をさらに歩いていくと、広場に出た。
片隅に石碑があり、ここが西寒川駅のあった場所らしい。
道路を挟んだ広場の反対側には、工場が建ち並んでいる。
石碑の裏側に刻まれた解説文によれば、戦時中はこの地に軍事工場があり、
それが後に工業地帯として発展する素地をつくったようである。
紀行作家・宮脇俊三氏の代表作「時刻表2万キロ」によれば、
「西寒川線」は「相模川の砂利を運ぶために敷設された」という。
そのためだろうか、広場の一角には、レールの上にトロッコが置いてある。
かすかな期待とともに、トロッコを押した。
トロッコは、やはり、びくともしなかった。