三ノ沢にバス停はない。
帰りの帯広行きバスに乗るには、糠平温泉まで3kmほど、更に歩かねばならぬ。
橋の上で、ヘビがひなたぼっこをしていた。
同行のWさんが、これは青大将ですねぇとか言いながら近づいていくが、
私にとっては、ヘビほど見たくないものはない。
この先の道中にも潜んでいるかと思うと、ぞわっとする。
廃線跡の遊歩道をしばらく進むと、トンネルにぶつかった。
もちろん、安全のため入口は柵でふさがれ、中を進むことはできない。
遊歩道はトンネルの手前で折れ曲がり、山を越えて迂回する形になっている。
ここを進むしかない。
が、これが遊歩道とは名ばかりで、けものみち同然だった。
上りはとにかく、下りが危なっかしい。足を滑らせそうで、ひやひやする。
1時間ほど前まで、キュンキュン!とか陽気なことを言っては
笑いながら歩いていた一行7名だが、立て続けに現れる廃トンネルと、
うっかり踏み外しそうな山越えの細道に、だんだん無口に・・・。
3kmの道のりを1時間半以上かけて、
ようやく糠平にたどり着く。
せっかくなので、ここで温泉につかって
一泊したくなるが、明日は仕事である。
帯広までの小一時間の車中は、
半ばうとうとして過ごした。