日本酒はどちらかといえば不得手だが、新潟でHさんと飲んだ
〆張鶴の大吟醸だけは別である。すーっと飲めて、おでんの味が
さらに引き立った。
新潟の地酒としか思っていなかったが、県北部の村上市で
造られているとは、全くの迂闊そのものであった。
何せ、20代の頃に毎年のように訪ねた街だからである。
村上は「境界のまち」というイメージを個人的に抱いている。
日本茶栽培の北限。
そして鮭の遡上はこの街を流れる三面(みおもて)川が南限。
北限南限とは無関係だが、羽越線は村上・間島間で、架線の電気が
直流から交流に切り替わる。
街から三面川を渡って数km、岩ヶ崎といわれるところまで歩く。
時折行き交う列車の通過音を聞きながら、日本海をぼんやり眺める。
そんな旅をした。
この街とも15年はご無沙汰している。
いまが気になる街の一つである。