正式には登別市立図書館なのだが、それはさておき、
高校の3年間、毎日のように帰宅途中に通い続けた。
家まで帰る列車が放課後2時間以上なかったからだが、
駅から近すぎず遠すぎず、静かなひと時を過ごせるのが、
大仰に言えば自分のスクールライフに合っていたと思う。
卒業してから1~2回足を運んだような記憶もあるが、
10年はご無沙汰した「幌別の図書館」に久々に入った。
ほぼ十字形の建物構造は、より充実する蔵書に反比例して、
場所の確保や書庫の配置に難儀しているように思われたが、
窓から風が通り抜け、胆振にしては残暑厳しいこの夏でも、
たいへん快適で静かな時間を過ごすことができた。
隣に建っている教会から、賛美歌らしき音楽が聞こえる。
穏やかな旋律と心地よい風を感じながら、活字に没頭し
我を忘れる時間は、本当に幸せである。