すっかり間隔が開いたが、今年1月13日の北海道新聞特集記事の話の続き。
記事は冒頭「1時間に1便」との小見出しで、清田区有明に暮らしている
お年寄りの訴えと通院の現状から始まる。自宅から2km離れた停留所から
1時間に1便のバスで通院するのは確かに楽ではないだろう。
しかし、記事内に掲載されている写真の説明で
「1時間に1便しかない札幌市郊外。大都市でも交通格差が広がっている」
とするのはいかがなものか。
写真の清田区有明は札幌都心から約15km、札幌市役所の統計によれば、
2012年初現在で74世帯153人が暮らしている。
一方、都心から4km弱の中央区界川2丁目と3丁目には計259世帯611人で、
清田区有明の約4倍いるが、路線バスは同様に1時間に1便しかない。
ちなみに拙宅は界川より少し都心に近いが、最寄りバス停は80分に1便。
格差が広がっていることが問題ではなく、世帯や人口の多寡に関わらず、
バスが1時間に1便あるかないかの地域が多いことの方が問題ではないか。
実は、記事で紹介された有明のお年寄りの事例が如実に示しているのだが、
求められる移動手段は必ずしも路線バスでなければならない理由はない。
タクシーや各種送迎車を乗合交通に取り込むことも重要な視点であるが、
この件はまた機会を改めて記す。
(この項続く)