規制緩和前のいわゆる免許制の時代には、
●新規参入申請に対する既存免許事業者の「反対聴聞」申請
●新規参入申請者に対する「限定免許」(小型車両に限るなど条件付き)
●既存事業者に対する「預かり減車」(需給が回復したら簡易な手続きで
元の免許車両数まで復活できる制度運用)
が、歳時記のごとく語られていた。
今やすっかり過去の言葉である。
これから先、資本関係の動き(系列化)が活発になるのか、あるいは
事業者数、車両数ともに一気に減少するのか、私にはわからない。
ただ、鈴木文彦氏がかつて指摘した通り(※)、未曽有の事態が生じた場合、
「鉄道代行のような組織的かつ一元的な大量輸送が全うできるか」
特に本州と道路でつながっていない北海道では果たして大丈夫なのか。
※鈴木文彦「大震災時における都市鉄道のバス代行」『鉄道ジャーナル』2009年10月号
災害に限らず、大規模イベントなど、一時的に大量の旅客を、それも
鉄道では対応できない区間で輸送しなければいけない場面は、
必ず出てくる。
バスの機動力がもっと評価されてよいと思うのは、業界に関わった者の
単なる肩入れであろうか。